みなさん、マスクって何のために使っていますか?
病気の感染防止や花粉対策以外にも、乾燥防止や寒さを防いだり、素顔を隠したりと、様々な用途に利用されるマスク。いまや年中欠かせない消耗品ですね。
そんなわけで今回は家庭用に販売されているマスクの基本的な仕組みや性能についてお話します。
・どうしてマスクが役立つのか
・形状によって異なる特徴と自分に合ったマスクの選び方
・使用時に気をつけること
マスクに表記最大値は「99%カット」まで
本品とは、天然繊維・化学繊維の織編物または不織布を主な本体材料として、口と鼻を覆う形状で、花粉、ホコリなどの粒子が体内に侵入するのを抑制、また、かぜなどのせきやくしゃみの飛沫の飛散を抑制することを目的に使用される、医薬品医療機器等法に該当しない衛生用品を言う。
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 マスクの表示・広告自主基準 第二条
日本衛生材料工業連合会では上記の自主基準を設けています。
販売側も基準を受けて、医薬品のような効能・効果を示していません。パッケージでよく見かける「99%カット」の記載も、試験をしたうえでの情報です。
100%の製品がないのは表記の最大値が99%と決められているからなんですね。
マスクの主な機能は捕集・飛散防止・保温と保湿
捕集効果
布を重ねた作りのマスクは、外側の素材で大きな異物を受け止め、内側に挟み込まれているフィルタで小さな異物を捕まえています。中に薄い布が挟まっているんですよ。
例えばインフルエンザウイルスの大きさは0.1μm(ミクロン)1000分の1ミリ程度なので、普通のフィルタでは通り抜けてしまいます。
ですがウイルスは小さくて軽いため、自力で飛ぶことができません。通常は唾液などの飛沫に含まれて広がり、大きさが5μmになるので捕まえられるんですね。
飛散防止
自分のせきやくしゃみなどで、周囲にウイルスが含まれるしぶきが飛び散らないようにします。こちらも感染を防ぐ重要な機能。
個人差はありますが、1回のせきには約10万個のウイルスが含まれており、2~3メートル先まで飛ぶそうです。
くしゃみになると含まれるウイルスは約200万個! 飛距離は3~5メートルとかなり先まで放出されるのです。
参考までに標準的な教室の黒板が横幅3.6メートル。結構飛ぶんです
保温と保湿
マスクを着けていると、口の周りが暖かいですよね。あれは吐いた息で温まっている他にも、外気をちょっと温めてから取り込んでいるから。
さらに口から肺に続く気道を湿らせて、侵入したウイルスの増殖を抑える保湿性も期待できます。冷たい空気や乾いた空気を吸うとせきが出やすい方は、症状の緩和になりますよ。
マスクの素材は不織布かガーゼが主流
家庭用マスクで使用される素材は「不織布(ふしょくふ)」と「ガーゼ」の2種類が一般的です。
不織布は繊維を織らずに熱や機械で絡み合わせたもの。糸にして織った布よりも薄くて、目が細かいのが特徴です。2003年頃から使われた素材で、品質を格段に向上させました。
ガーゼは繊維を粗く平織りにした、柔らかい織物です。吸水性や通気性が良く、肌触りも良い素材。名前を聞くと、医療用品を思い浮かべる方が多いでしょうか。
市場では不織布を使ったマスクが主流ですね。ガーゼマスクはお肌の繊細な方には適した素材なので、用途に応じて使い分けてください。
マスクの形状は大きく分けて3種類
平型マスク
平べったい見た目で「昔ながらの」という印象でしょうか。口まわりに密着するので暖かい温度と湿気を保ちます。
半面、常に肌と触れるため、お化粧をしている場合は気をつけましょう。
プリーツ型マスク
横に何本も折り目が入った形状。使い捨てマスクと言えばこの形ですね。ちなみにプリーツはプリーツスカートの「折りひだ」と同じ意味です。
口を動かしてもズレにくい。折り目を広げれば口元の空間に余裕ができ、圧迫感を減らすことができます。装着の際はしっかり上下に伸ばして広げて使いましょう。
立体型マスク
顔の輪郭に合わせてデザインされていて、ピッタリした装着感が魅力。それでいて口まわりにも空間ができるので、息苦しさも少ないです。
リップクリームを塗っても擦り取られることが少なく、話しやすいのも特徴です。他の二つに比べて、ちょっぴり値段も高めでしょうか。
マスクを使うときは上下裏表やフィット感に注意
いくら性能が良くてもマスクを正しく装着・使用しなければ充分な効果を発揮しません。
例えば裏表や上下の向き。方向のなさそうなプリーツ型でも、耳ひもの接着面は内側に、鼻当てがついている方が上に向きます。製品で異なる場合があるため、ご確認ください。
顔とマスクの隙間をなるべく作らないことも大切です。フィルタを通過した空気を吸わないと意味がありませんから。
しかし密着し過ぎると呼吸がしにくく、息苦しさを感じる場合もあります。一長一短なので、場合に応じて使い分けましょう。
自分に適したマスクサイズを測る方法
ぴったりしたマスクがベストですが、それを探すのはなかなか難しいですよね。そんな人のために適したサイズを測る方法があります。
以下は日本衛生材料工業連合会のホームページに記載されている方法です。簡単にですが、こちらでもご紹介しますね。
- 親指と人差し指でL字を作ります
- 親指の先を耳の一番上の付け根に、人差し指は鼻の付け根から1cmくらい下のところに当てます(メガネを着けている方は外して測りましょう)
- 二つの指の間の長さがサイズの目安になります
10.5~12.5cmなら小さめ、12~14.5cmならふつうサイズ、14cm以上だと大きめサイズがおススメとなります。おうちで測っておいて、選ぶ際の参考にしてください。
仕事中によく聞かれるのですが、マスクの大きさと性別は関係ありません。大切なのはフィット感です。
小さいサイズが合う男性もいますし、逆もしかり。外見で小さいサイズとふつうサイズの見分けはそうそう分からないので、気にせず選んで大丈夫ですよ。
まとめ
素材や形による特徴をご紹介させていただきました。用途に適した製品をお使いください。選ぶときに重要なのは顔に隙間なくフィットするかどうかですよ。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。