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『HUMAN LOST 人間失格』原案を超越した世界観に人生を考える【映画感想】

 一か月前にムビチケを購入して楽しみに待っていた作品がいよいよ公開! タイミングよく休みが巡ってきたのでさっそく観てきましたよ。

 今回は映画『HUMAN LOST 人間失格』の感想を書きます。ネタバレはしませんので、観に行こうか迷っている方はいち意見として参考にしてみてください(サムネイル画像は劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」本編冒頭7分映像より)

『HUMAN LOST 人間失格』はこんな内容

 昭和111年。医療革命によって日本は無病長寿大国となり、環境を無視した経済活動や19時間労働政策の末にGDP世界1位、年金支給額1億円を実現した。

 大気汚染と貧困に満ちた環状16号線外、通称「アウトサイド」で怠惰な生活に身を落とす大庭葉藏(おおば ようぞう)はある日、仲間と共に特権階級の暮らす環状7号線内「インサイド」に突撃して闘争に巻き込まれる。そこで「ロスト体」と呼ばれる異形体に襲われるも、国家機関「ヒラメ」の女隊員、柊美子(ひいらぎ よしこ)に助けられる。

 自分は特別な存在だと知る葉藏。ロスト体を生み出していたのは同じく特別な存在である堀木正雄(ほりき まさお)。正雄は「進み過ぎた社会システムにすべての人間は『失格』した」と言う。

 文明崩壊をもくろむ正雄、文明再生に尽力する美子。平均寿命120歳を祝う「人間合格式」を前に、大庭葉藏が選択する未来は……。

 原案は文豪・太宰治の「人間失格」本作は学校の授業でも教わる有名な古典文学を、SFエンタテイメントとしてリビルディングしています。まず発案がすごいなあ……。

 脚本は『マルドゥック・スクランブル』『天地明察』などの小説家、冲方丁(うぶかたとう)先生。個人的には『冲方丁のライトノベルの書き方講座』でたくさん勉強させていただきました。

 監督は『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』など数々の作品を手掛けた木﨑文智さん。スーパーバイザーには『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』などで大人気作に携わる本広克行さん。期待感をあおってくるお名前ばかりです。

 制作は『亜人』『シドニアの騎士』など3DCGアニメに定評のあるポリゴン・ピクチュアズなので、迫力の面では心配いらないと信じております!

 事前情報はここまでにして、さっそく感想を書いていきましょう!

原作未読でも問題なし、既読ならより楽しめる

YouTube-劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」Official Main Trailerより

 原案を読んだことがなかったのですが、いい機会なので読んでみることにしました。オリジナルを知っておけば感想の幅も広がりますからね。

たけのこ
たけのこ
原案の『人間失格』はとても引き込まれる内容でした。やっぱり太宰先生は偉大!

 人物名やキーワード、設定の一部は原案に即しています。なので名称が出てくると説明される前から、なんとなくキャラクターの立ち位置や意味が掴めました。原案を踏襲するようなセリフ回しなどもありちょっとニヤリとしましたね。

 ですが原案に寄せているかと聞かれたら、全然寄っていません。かけ離れていると言ってもいいでしょう。原案は未来の話でもファンタジーでもありませんから(当たり前)

 ただ作中で描かれていない部分を補完する意味では、読んでおくとスムーズに物語に入り込めるでしょう。原案を読まなくても楽しめますが、読んでおけばより楽しめる内容だと思います。

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文学をかけ離れた躍動感抜群のアクションシーン

YouTube-劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」Official Main Trailerより

 「SFダークーヒーローアクション」と銘打つだけあり、作中にはダイナミックで激しいアクションシーンやスピード感が何度も味わえます。正直こんなにもバトルシーンが多いとは思っていなかったので度肝を抜かれました

 ダークヒーローという言葉は原案を読んだ人でもピンとこないでしょうが、人間を失格しタどころの騒ぎじゃないダークヒーローが登場します。かっこいいのですが意外すぎる姿に「これ何の作品?」と何度か確認が頭をよぎりました。

進むほどに予測できない超展開へ

YouTube-劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」Official Main Trailerより

 大迫力のアクションシーンだけも意外性十分でしたが、後半に進むにつれて規模は拡大。終盤は「もうなんだかよく分からないけれど苛烈な戦いが巻き起こっている」とただただ見入っていました。

 おそらく観る前と観た後では、大きく印象が変わるでしょうね……逆に期待感を持たずフラットな心持ちで構えていた方が世界観を楽しめるかもしれません。

自分の生き方を考えさせられる世界観

YouTube-劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」Official Main Trailerより

 あらすじにも書きましたが、作中の世界は「19時間労働政策」が敷かれており控えめに言ってもディストピアです。年金1億円もらってもそんな人生は嫌だ。

 また医療の発達によってケガや病気の心配もありませんが、普通に老いていきながら120歳まで生きたいかと問われたら……自分はそこまで人生を伸ばしたくありません。

 しかし作中の日本は国が国民を管理し、怪我をしたら自動で治療。ちょっとやそっとじゃ命を落とさず、長生きできる生活が実現しています。

 でもこれってどうなんでしょう? 健康な生活はありがたいですが、元気にさせるから国のためにいっぱい働けとか……捉え方は人それぞれですよね。

 国によって「生かされてしまう」人生。もしもこんな世界になってしまったら、自分はどうするだろうか。映画を観ながら何度もそんなことを考えてしまいました。メッセージ性の強い作品です。

まとめ

 原案を超越した内容に、自身の人生観を考えさせられる作品でした。期待の度合いや観る人によって鑑賞後の印象が大きく変わるかと思います。観に行こうか悩んでいる方はリサーチを重ねたうえで劇場に足をお運びくださいませ。

 ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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たけのこ
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登録販売者資格を持つドラッグストア店員です。 趣味で小説投稿やゲーム実況なども行っております。よろしければそちらもご覧くださいませ。