創作でも特に人気の設定で、各小説投稿サイトでも断トツで作品数が多い異世界ファンタジー。登場キャラクターも重要ですが、同じくらい大切なのが基本となる世界観。
今回は創作の世界観を決めるうえで便利なガイドラインNDCをご紹介します。これから異世界ファンタジーを書き始めようと思う方はぜひご覧ください。
NDC=日本十進分類法は設定の枠組みを作る目安
小説やアニメだと「ここは○○大陸(あるいは島)」なんて説明で幕を開ける物語は少なくありません。国や町があり、当然ルールにのっとって人々が生活しています。
その土地の大きさは? 集団はどのような仕組みで統治されているのか? 法律は? 経済は? 産業は……き、キリがない!
そこで活用するのがNDC(Nippon Decimal Classification)。日本十進分類法(にほんじっしんぶんるいほう)と呼ばれるルールで、日本の多くの図書館で使用されている蔵書の分け方なんです。大雑把には以下の通り。
類目 | 類目 | 内容 |
0 | 総記 | 辞典、論文集、郷土資料、新聞など |
1 | 哲学 | 思想、心理学、道徳、倫理、宗教など |
2 | 歴史 | 各地の記録、伝記、地理 |
3 | 社会科学 | 政治、法律、経済、財政、教育、民俗学、軍事など |
4 | 自然科学 | 物理学、化学、地学、生物学、植物学、動物学、医学など |
5 | 技術・工学・工業 | 建設工学、機械工学、金属工学、鉱山工学、製造工業など |
6 | 産業 | 農業、水産業、商業、運輸、通信など |
7 | 芸術・美術 | 彫刻、絵画、工芸、音楽、演劇、スポーツ、娯楽など |
8 | 言語 | 各地の諸言語など |
9 | 分類 | 各地の文学など |
管理に従ってそれぞれの区分から本を借りれば、ひとつの国の特色や情勢を調べられます。知っていると図書館での調べものに役立つ知識。
各分野についての本をつくる目的で設定を考えていけば、自然とその国の情報が出来上がります。
もちろん全部きっちり決める必要もないと思うので、あくまで必要な部分だけ決めていけば十分でしょう。
まとめ
図書館の分類法は世界観設定を決めるうえで役立つので、これから異世界ファンタジーを書く方は参考にしてみてください。
今後の参考文献一覧
- 野村カイリ(2014)『創作トレーニング ストーリー世界の作り方』新紀元社.
- 山北篤(2010)『ゲームシナリオのためのファンタジー辞典:知っておきたい歴史・文化・お約束110』ソフトバンククリエイティブ.
- (2017)『山川 諸説世界史図録(第2版)』木村靖二・岸本美緒・小松久男監修,山川出版社.
- ラングリー,アンドリュー(2006)『中世ヨーロッパ入門』池上俊一監修,あすなろ書房.
- ドロール,ロベール(2014)『中世ヨーロッパ生活誌』桐村泰次訳,論創社.
- ディクソン,フィリップ(2008)『騎士と城』樺山紘一監修,鈴木豊雄訳,昭文社.
- コストマリー事務局・繻鳳花(2018)『中世ヨーロッパのレシピ』新紀元社.
今回の記事は『創作トレーニング ストーリー世界の作り方』を参考にさせていただきました。理論的に書かれており、世界観を作るうえで必要な考え方が凝縮されています。ぜひ読んでみてください。