「あなたは人生を楽しんでいますか?」なんて、おせっかいな質問をされたら。
昔ならこう答えていたでしょうが、今は
と返します。え、どっちも大して変わらない? 「全然楽しくない」が「ちょっとは楽しい」になったんですよ。自分の中では飛躍的なジャンプアップです。
変化があったきっかけは新しい趣味を持ったこと。おかげで多少は張り合いのある人生にコースチェンジ、気持ちを趣味に向けることがつまらない人生を変えてくれました。
今回は熱中できる趣味を持つと人生がちょっと楽しくなるお話をします。
ただ消費するだけ、満たされなかった毎日
30代に突入してからのたけのこは、こんな暮らしをしていました。
仕事のある日:起きる→仕事に行く→帰ってきて寝る
休みの日:起きる→洗濯と掃除→アニメを観てやゲームする→寝る
このサイクルが100%です。アニメとゲームが好きなので、休みの日はそれらで楽しんで日が暮れます。で眠くなったら布団に入り「明日からまた仕事か……」と思いながら就寝。
変化のない毎日を何百、何千時間と重ねる中である日から、モヤモヤとした考えが頭の中に住み着きました。
お金を稼ぎたいとか、有名になりたいとか、モテたいだとか、そんな目標はありません。そりゃあ若い頃は夢もありましたが……どこかに落っことしたまま拾わなかったんですね。
アニメもゲームも夢中になっているときはいいのですが、ふと魔が差すんです。アニメは1クールでおしまい。ゲームはトロフィーコンプしたら終わり。そして最後にこう思う。
費やした時間になんの意味があるのかな……これまで結局なにも残っていない気がする。
仕事にも充実感はありません。もちろん投げやりにこなしているわけじゃないですよ。卒なくきっちり、職場の和を大切にして業務にあたっています。自分でいうのもなんですが。
でもそこに『やりがい』はないんですね。ずーっと同じことを繰り返したせいなのか、周りに合わせて変わること重視で「自分から変えていく」ことをしなかったせいなのか。
時間は流れて積もっていきますが、その蓄積の中身がないんです。空っぽの箱を積み重ねているようなもので、見た目には高さがあっても、風が吹けばすぐに崩れるぺらぺらの塔。
自分の人生なんてこんなもんだと諦める一方で、眠りにつく前には不安に捕らわれる。だけど解決できる方法がない……確実にバッドエンドルートに向かっている気分でした。
モノを作ることが自分を救ってくれる
テレビで放送された『秒速5センチメートル』をきっかけに、新海誠監督の作品を観るようになりました。めちゃめちゃ刺さったんですよ、この作品。
それから休みの日は、前日に借りてきたDVDを観るのが楽しみになっていました。部屋を暗くして映画館っぽく、テーブルの上には炭酸飲料とスナック菓子を置いて鑑賞です。
その日は『言の葉の庭』を観ていました。靴職人を目指す少年と、居場所を見失った女性の交流を描いた物語です。ストーリだけでなく、映像も音も素晴らしい作品でした。
本編の余韻に浸りつつ、特典で収録されていた監督のロングインタビューを観ていたとき。監督はこんなことを言っていました(要約になります)
「モノを作ることが自分を救ってくれる」
監督が作品制作時のエピソードを話していたときの言葉です。鑑賞直後で感銘を受けていたこともあったでしょうが、この一言が心に響きました。
もしかしたら、自分も何かをつくれば救われるかもしれない。一直線だった人生に分かれ道ができた気がしたんです。
「つくりたい」という欲求は高まったものの、一体何をつくればいいのやら……そこからまた模索した結果、たどり着いた答えが「小説」でした。
小説を書く準備
今まで何度かブログを書いたことがあります。興味本位で始めて、仕事や日常のことをつづっていたのですが、いずれも自然と続けることをやめてしまいました。
日常の充実にはつながりませんでしたが「書くことって楽しいな」とぼんやりした感触は残っていました。それが小説を書こうと思ったきっかけのひとつです。
もうひとつは投稿小説サイトの存在。今の世の中は、書いた小説をネットにアップして発表できるんです。運営サイトは多数ありますが、だいたいお金もかからずお手軽に使える。
じゃあさっそく始めてみよう……と思ったのですが、小説の構想もなければ知識もない。小説を読むのは好きだけれど、書くとなると別の話。まずは準備をしないと。
さっそく本屋へ行き、小説の書き方に関する参考書を数冊購入。同時に書くことを癖づけるため、もう一度ブログを始めることにしました。
今回のブログは一年間限定。内容は自由だけど、毎日1500文字以上の文章を書いて更新すると定めてスタートさせました。やると決めたらしっかりやりたい凝り性気質なんです。
毎日勉強しつつ、ブログのネタと、一年後に書く小説の内容を考える毎日が始まりました。なんでそんな道を選んだのか……当時はそれが適正ルートと思ったんでしょうね。
そして目標を達成して2018年の1月。投稿小説サイト『カクヨム』で小説を書き始めたのです。
新しい趣味を始めて生活が変わった
投稿小説のタイトルは『ぼくの頭はピヨリーナ』男子高校生と、その頭に住み着いたひよこがメインのサスペンス作品です。ペンネームは竹鋸椎武(たけのこ しいたけ)。
どんな内容か興味の湧いたかたはぜひご覧ください。至らない点も多い物語ですが、応援していただけると嬉しいです。
投稿する日時を決めて書き始めたのですが、慣れないうちは一話書くのにもかなりの時間を使いました。あーでもないこーでもないと修正を繰り返し、投稿後も書き直したり。
仕事中も小説のことばかり考えるように……もちろん業務は手を抜いていませんよ、表面上は。真面目に仕事しているように見せて、頭の中は次の展開を練る毎日でした。
帰宅後は翌日の準備を済ませてから執筆を始めます。でも疲れているせいか歳なのか、すぐ眠たくなっちゃうんですよねー。無理をして仕事でミスするのも嫌なので素直に寝ます。
だから休日は一気に書き進めるチャンス。アニメを観たりゲームをする時間も惜しんで一日中パソコンと向かい合い、気がつけば夜という過ごし方に変わりました。
生活サイクルはすっかり変わり、四六時中小説のことを考える日々。そこに漠然と感じていた不安や虚無感を覚えるスキマはありません。同時に自覚したのです。
救いを求めて小説を書き始めた結果、進んでいたコースは「全然楽しくない人生」から「ちょっとだけ楽しい人生」に変わっていました。
趣味は人生の嫌なことや、つらいことを全部はねのけてくれるわけじゃありません。それでも気持ちの避難場所があるのは、それだけで気が楽になります。
交流の中で知るみんなの悩み
個人的な趣味として始めた投稿小説で、思わぬ出会いもありました。
カクヨムでは他の利用者とコメントのやりとりをおこなえるのですが、たけのこは初期のころ、積極的に利用しませんでした。
実はネット上で顔の見えない人とやりとりをしたことがなかったのです。ゲームのオンラインプレイもしたことがありません。だって、なんか怖いし……。
しかしビクついている初心者に声をかけてくださる方もいて、おかげでサイト内での礼儀や振る舞いに慣れることができました。他の利用者と交流を持ち始めたのはこの頃ですね。
自作にコメントや評価、紹介レビューを書いてくださることもあります。その言葉もまた創作の励みにつながり、続ける活力になりました。
他の人の文章を読む余裕が出てくると、みなさんいろいろな考え方や悩みを持って小説を投稿していることが分かりました。文章だけのやりとりだからこそ書けることもあります。
小説を書く理由は様々ですが、人生を楽しむために小説を書いている人が少なくない気がしました。気持ちを趣味で救っているのは自分だけじゃなかったんです。
まとめ
生きていくのは大変なんてことは、きっとみなさん知っていること。だからこそ気分をリフレッシュさせたり、心の拠り所をつくっておくのは大切です。
たけのこの場合は投稿小説ですが、なんでも構いません。人生が楽しめていないなと感じている方は、なにかひとつ、熱中できる趣味を見つけてみてください。
きっと今よりもちょっぴり、毎日が楽しくなると思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。