映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が話題になっています。
「2019年のアニメ映画で一、二を争う大傑作」「大人も見るべき」「逆詐欺映画」「子供向けの奈須きのこ」などなど感動のつぶやきや山盛り。どういうこと? すみっコって英霊なの?
謎過ぎるので実際に確かめてきました! というわけで今回は『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の感想を書きます(アイキャッチ画像は『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より)
映画『すみっコぐらし』はこんな内容
いつもの喫茶店、いつものすみっこ。
その地下室に隠された、ふしぎな絵本とは…?ある日すみっコたちは、お気に入りのお店「喫茶すみっコ」の地下室で、
古くなった一冊のとびだす絵本を見つける。絵本を眺めていると、突然しかけが動き出し、絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。
絵本の世界で出会ったのは、どこからきたのか、じぶんがだれなのかもわからない、
ひとりぼっちのひよこ…?
「このコのおうちをさがそう!」新しいなかまのために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことに。絵本の世界をめぐる旅の、はじまりはじまり。
『すみっコぐらし』はリラックマでお馴染みのSAN-X(サンエックス)が手掛ける作品。すみっこが落ち着くのでみーんな端で縮こまっています。すごく分かる。
映画はV6の井ノ原快彦さんと本上まなみさんのナレーションで展開されます。すみっコたちに声はついておらず、時折ひらがなで言葉が浮かぶくらいです。絵本を読む感覚に近いですね。
たけのこはキャラクターこそ知っていましたが、世界観や各キャラクターについては詳しく知りませんでした。知識はほぼゼロでの鑑賞で特に思い入れもありません。
だから流行りに乗って観に行くことに不安もありました。
不安なら行くなって話ですが、興味が湧いたのも事実。果たしてネットの情報は真実か、みんなでただ盛っているだけなのか? 自分の目で確かめよう!
上映館内では親子の他、男性の姿もちらほらあり老若男女、幅広い世代の方がお越しになっていました。でも一番多いのはちっちゃい子どもたち。人気コンテンツなんだなと実感しましたね。
映画の感想
果たして涙でぐしょぐしょになってしまうのか!? ちょっとハードルを上げ過ぎている自分を意識しながら、いよいよ映画が始まりました。
すみっコたちがトニカクカワイイ!
YouTube-『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より
まずは簡単なすみっコたちの紹介から始まるのですが……どのキャラもめちゃめちゃかわいい。なんだこれ……極上の癒しじゃないか。館内のところどころからも上がる「かわいー」の声。
毎晩紹介パートを観てから眠りに就けば、きっと一日のストレスを溶かして安らかに眠ることができる。本気でそう思ってしまうほどの癒しをスクリーンいっぱいに展開するすみっコたち。はわわ……帰りにグッズコーナー立ち寄らなきゃ。
開始数分で最大値まで高まる満足感。もうこの可愛さに触れられただけで観に来てよかったと満たされてしまいました。恐るべしすみっコぐらし。
後半に襲いかかる悲しみ
YouTube-『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より
最初はかわいさとコメディ展開で和やかな雰囲気が続きます。ところどころで笑い声も上がったりと和みムードの広がる館内。お子様と観に来るにはぴったりの作品。
ところが後半、まいごのひよこに関する「ある事実」が発覚して……この先はネタバレになるので伏せますがとても悲しい展開を迎えます。ひよこぉ……。
哀感が募る中、自分の二つ隣に座っていた子供連れのお母さんが、周囲の悲しみを一手に引き受けるかのように号泣。先を越された感が生まれてしまい、涙を流すまではいきませんでした。でも一人で観ていたら確実に泣いていたと思います。
またナレーションがいいんですわ。お二人の優しい声が物語を引き立ててくれる。すみっコたちのしぐさも相まって、一層愛おしく感じるのでしょう。
上映終了後、周りからは「感動した」「泣いちゃった」の声。たけのこも同じ感想です。那須きのこさんの作風に近いかどうかの受け取り方は人それぞれですが、後半の展開は涙腺をダイレクトに刺激してきます。ああ本当にもう……ひよこぉぉぉ……。
なぜ大人が観るべき作品と言われるのか
YouTube-『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より
鑑賞後、なぜみなさんが「大人も観るべき作品」と称賛するのか自分なりに考えました。
ちっちゃい子が観てもお話が理解できるように、ストーリーは分かりやすく作られています。すみっコたちは見て取れる言動ばかりで、ナレーションも難しい言い回しはしない。いろんな面でシンプルな物語と言えます。
だから「かわいい」「たのしそう」「かわいそう」などの表現がストレートに伝わってくる。しかも開始数分で気持ちを鷲づかみにしてきたすみっコたちが届けるのだから、心が揺れないわけがない。だから後半の展開でほろりと涙がこぼれてしまう。
YouTube-『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より
思えば大人になって触れているのは、活字の多い作品や技術を駆使した迫力の映像ばかりのような気がします。子どもと一緒に観られるようなやさしい作品と向き合った記憶が浮かびません。向き合うのは職場で試される自身の理性や立場。潜在的疲労が溜まってる……。
対して暖かさとかわいさにあふれた優しいすみっコの世界。そこには日々精神を削るような立場上の葛藤も、図るべき対人関係のバランスもありません。ひたすらに胸をほっこりさせるだけの時間。黒くすすけた心は75分の上映ですっかり浄化されました。
日頃から補給しなければならない心の栄養分が、すみっコぐらしの映画で摂取できる。メンタルケアをした気分で映画館を出てきました。
まとめ
YouTube-『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』本予告より
映画『すみっコぐらし』は話題の声に共感できる素敵な作品でした。頑張りすぎるくらい頑張っている人、心が落ち着かない人、疲れている人は鑑賞をおすすめします。すみっコたちが張り詰めた気持ちをじんわりほぐしてくれますよ。最高の癒しでした。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。