2020年4月24日にPS4版が発売された『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』たっぷり遊んでトロフィーコンプリートしました! いやー楽しかったなあ。
約25年ぶりにプレイしたリメイク版聖剣伝説3は期待を裏切らない作品です。SFC版(以下オリジナル版)を遊んだファンなら確実に面白い出来で、未プレイの人にもオススメ。
今回はリメイク版聖剣伝説3のレビューをお届けします。購入を迷っている方はぜひご覧くださいませ。ストーリーに関する重大なネタバレはございませんので、ご安心ください。
3Dグラフィックへと進化した魅力的なキャラクター達
3D制作の基盤として利用される『アンリアルエンジン』を用いて制作されたキャラクターは、オリジナル版の魅力を引き継ぎつつ、より感情移入しやすい造形へと進化しました。
古参のファンとしては「この感じが懐かしい」と思い出をすぐにリンクできるビジュアルに一安心。手をくわえ過ぎず、程よく2Dグラフィックの持ち味を昇華させています。
モンスターや精霊がカワイイ
本作にはモンスターや精霊などが数多く登場しますが基本的にみんなかわいいです。
敵は丸っこい頭身が多くて、あんまり怖くないんですよ。聖剣伝説シリーズの特徴かもしれませんが、とっつきやすさに一役買っている要素でしょう。
シャルロット可愛すぎ問題
この記事で一番訴えたいのは、主人公のひとりシャルロットがとても可愛くて癒されるということ。今日はこれだけでも覚えて帰ってください!
シャルロットはエルフの血を引く女の子で、花も恥じらう15歳(と自分で言う)語尾に「~でち」とつけてしゃべるので、一部では「でち子」と呼ばれています。
回復に特化したキャラクターなので、初プレイでは仲間に加える方も多いことでしょう。冒険で味方を癒すだけでなく、その言動でプレイヤーも癒すというダブルヒーラー。
キャラクターボイスを担当しているのは諸星すみれさん。シャルロットの魅力を120%引き出すお芝居は、聞かずにいられません。
走るときはアラレちゃんのように手を後ろに回し、ちょこちょこ動きます。なごむ~。
6人の主人公が織りなす王道のストーリー
ゲーム開始時に6人のキャラクターから主人公と2人の仲間を選びます。選んだ主人公で物語の展開が変わるので、一度プレイしてもまた楽しめるのがウリ。
敵を討つため、愛する者のため、国のために冒険へと旅立つ物語は、オリジナル版とほぼ同一です。変に手を加えずにリメイクしてくれたのは、ファンとしてありがたい限り。
もちろん追加されたセリフも数多くあります。因縁の関係同士による会話や、オリジナル版では「ん?」と思ってしまう部分はつじつまが合うように変更。
修正しない方が面白い部分が残してあるのも英断ですね。「このひと急にテンションがおかしく……?」と引っかかるものの、本筋ではないので笑って進められます。
選んだ仲間同士の会話もオリジナル版に比べて、補足されている部分が多いような気がします。6人の中から3人を選ぶ組み合わせは決して少なくないのですが、関係性なども考慮したやり取りをしてくれるので盛り上がりますね。
リメイク版の大きな要素のひとつがキャラクターボイスの実装。イベントシーンを始め、やりとりに音声がついたので臨場感は大幅アップ! 街の人との会話以外はほとんどボイスがついています。
メインとなるキャラクターの声優さんはこちら。
キャラクター名 | キャスト | キャラクター名 | キャスト |
デュラン | 江口拓也さん | アンジェラ | 大久保瑠美さん |
ケヴィン | 逢坂良太さん | シャルロット | 諸星すみれさん |
ホークアイ | 小野友樹さん | リース | 小松未可子さん |
フェアリー | 内田真礼さん | 紅蓮の魔導士 | 中村悠一さん |
死を喰らう男 | 杉田智和さん | 美獣イザベラ | 南條愛乃さん |
移動中やバトル中でもとにかくしゃべってくれるので賑やかしく、プレイヤーのテンションを高めてくれます。やはりボイス実装は盛り上がりますね!
テンポアップで爽快になったバトル
バトルは操作感がよく快適。初心者でも爽快なアクションが楽しめます。
戦闘中のおもな動作は攻撃・特技・回避。できることはシンプルなので、いろいろな操作を覚えなくていいのはありがたいです。
攻撃は弱攻撃と強攻撃があり、組み合わせによって広範囲に武器を振るったり、敵を吹き飛ばす特殊技が繰り出せます。空中の敵にはジャンプを織り交ぜて対応。
特技やアイテムの使用はショートカットに登録できるので、いちいちコマンドを開かなくても使用できます。必殺技もコマンド選択せず発動できるので快適ですよ。
敵が技を繰り出す際には攻撃範囲が表示されます。放たれるタイミングも見てわかるため、回避行動も難しくありません。ヒット&アウェイを基本に戦いを勝ち進みます。
AIは優秀なのでストレスがない
操作キャラ以外のAIはなかなか優秀です。作戦を設定しておけば、適切なタイミングで回復や補助魔法をかけてくれる。おかげで操作に集中できます。
ここまで行くと簡単すぎる印象を受けるかもしれません。しかし進むにつれ敵の攻撃も激しくなり、攻撃ボタン連打では全滅しかける場面もありました。全体の戦闘バランスは程よいと思います。
すべてのボス戦が激アツ!
ボス戦はオリジナル版から大きく改良され、すべての場面でテンションの上がる戦いが繰り広げられました。
個人的に印象深いのはジェノア戦。序盤とは思えない攻撃を仕掛けてきます。「コレどうやって近づくんだよ、お前この25年で何があった!」と思うほど強い。でも楽しかった。
ボスが強力な攻撃を仕掛けてくる際に青いゲージが表示されます。攻撃範囲が赤く満たされる前にゲージを削り切れば、反撃のチャンス到来。阻止できなければ大ダメージ。
リメイク版で追加された要素はボス戦にメリハリを生み出し、一進一退の攻防戦を演出してくれます。おかげでどのボス戦も激闘になりましたね。
幅広くなったキャラクター育成
リメイク版ではキャラ育成にも大きな変更がありました。より自分好みのカスタマイズが出来るようになったので、面白さが深くなっています。
育成ポイントの割り振りで固有アビリティや特技を獲得
レベルが上がると育成ポイントを獲得。各パラメーターにポイントを割り振ることでキャラクターを強化したり、アビリティや特技を入手します。
得られる特性はキャラクターごと、パラメーターごとにすべて違うので、プレイスタイルや好みによって特性が大きく変化。
物理攻撃メインでも知性や精神上昇で便利な特性をゲットできる。だけど力や守も伸ばしたい……という葛藤が楽しむのも本作の醍醐味ですね。
オリジナル版と基本は同じですが、あの頃はキャラで割り振るパラメーターは実質固定。リメイクにより「魔法キャラだから知性に振っとけばいいか」という時代は終わりました。
アビリティセットでキャラの強さが千差万別
入手したアビリティをセットすることでキャラクターに特性をつけたり、能力を伸ばすことができます。パーティバランスを考えながら選ぶのがすごく楽しい。
アビリティの中には「リンクアビリティ」と呼ばれるものもあり、誰かが獲得すればパーティの誰でも装備できます。おかげでステータス画面で何分悩んだことか(でも楽しい)
リンクアビリティは育成以外にも、イベントやサブキャラクターと会話することで入手できる。意外な人からもらえる場合もあるので、街の人全員に話しかけて回ったものです。
一長一短のクラスチェンジに個性が現れる
聖剣伝説3と言えばクラスチェンジによるパワーアップ。プレイヤーの個性が最大限に現れる選択といっても過言ではありません。
クラスチェンジには光ルートと闇ルートがあり、それぞれに個性があります。ざっくり言えば光は回復や補助の防御寄り、闇は火力や弱体化の攻撃に特化して成長。
守りを固めるか、アグレッシブなキャラに育てるか。ほかのパーティーメンバーとの兼ね合いもあるため、選択肢は非常に多いです。これが何回も遊んでしまう要因のひとつ。
リメイク版ではあるアイテムを入手すれば、クラスチェンジのリセットも可能。一度選んだら変更できなかったオリジナル版に比べると、ユーザーフレンドリーになりました。
快適なプレイをサポートするシステム周り
リメイクに当たってより快適に遊べる工夫がなされています。例えば移動中は右上にミニマップや現在の目的が表示されたり、目的地の方向にマークが表示されたり。
ボタン一つで全体マップも確認できるので、迷うことは一切ありません。行き止まりにはアイテムが落ちている場合が多いので、効率的にフィールドを踏破できます。
イベント終了時にも次は何をすべきかメッセージが出るので、とにかく親切設計。かといってしつこいわけでもないので、ちょうどいいナビゲーションでした。
効率的に周回プレイを遊べる配慮も
リメイク版では周回プレイも可能。一部のアビリティやキャラの強さなどを引き継いで2回目、3回目と遊ぶことができます。ほかにもサクサク進行できる要素あり。
もしも別の主人公を選んでいたら……他の展開も見たくなるのが聖剣伝説3。何度もプレイして、すべての物語を楽しみましょう!
エンディングまで一日もかからない
1周目はじっくりイベントを見たり、寄り道しながら本能のままにプレイ。しかしエンディングまでのクリアタイムは約20時間。一日もかかりませんでした。
オリジナル版は何度もプレイしたので、攻略の順番やクラスチェンジでは一切迷っていません。経験を差し引いても手軽に遊べる長さです。
体感だともっとかかった気がするのは、内容がしっかり作られていたためでしょう。中身はぎっしりと詰まっていたので、スカスカという印象はまったくありません。
BGMはオリジナル版に変更可能
古参のファンには嬉しいオプションとして、BGMを「リメイク版」「オリジナル版」でいつでも変更することができます。最高かよ!
ノスタルジックに昔を思い出してプレイしたいとき、スーパーファミコンの音源と聞き比べたいときに活用してください。どっちもいいんだよね……。
リメイク版のここが気になったでち
最後にプレイしていて気になった部分をピックアップ。ここが改善されたら更なる名作へと近づくのに……と惜しい気持ちで書かせていただきます。
ちょいちょい挟まるロードが長い
実質気になったのはこの一点。フィールドやダンジョンの切り替えや、イベントシーンの前後に入るロードの長さです。
最初にたくさん読み込むおかげで、エリア内の移動がノータイムになるのはありがたい。でも行動範囲が広がるにつれ、ロード画面を眺める時間が多くなりました。
右下のローディングゲージがなかなか伸びないんですよ……。
自分のプレイ環境はスタンダードモデルのPS4とパッケージ版。PS4 Proやダウンロード版ならもっと快適かもしれません。
アイテムの使用がちょっとだけ手間
移動中のアイテム使用はリングコマンドに登録しているものだけ。登録していないアイテムはコマンド画面のアイテム欄から登録して使います。
面倒だなと感じたのはアイテム欄から直接アイテムを使用できないこと。
リングコマンドに登録できるのは12種類まで。未登録アイテムに関してはアイテム登録→画面を戻して使用のひと手間が必要なのです。オリジナル版と一緒。
リングコマンドは移動か回復で開く程度だし、主に使うアイテムは12種類もないので実際に困った場面は一度もありません。むしろ12種類も登録できれば充分。
でも倉庫に眠る大量の攻撃アイテムがデッドストック状態なのはもったいないなと思うわけです。せめてアイテム用リングコマンドがもうひとつあればよかったなと思いました。
まとめ
『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』はクオリティの高いリメイク作品。むかし遊んだ人は確実に楽しめるはず。オリジナル版を遊んだ一人として太鼓判を押せます。
もちろん未プレイの方も大歓迎の出来栄えで、アクションが苦手な人でも楽しめる設計です。難しければ難易度をイージー変更すれば、物語に集中できますよ。
友達が悩んでいたら「買っても大丈夫だよ」と推せる作品。ぜひ遊んでみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。