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【映画感想】『空の青さを知る人よ』30歳オーバーは心にくる

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 いつも映画を観に行くときは朝イチの上映と決めています。人が少ないので座席の左右も前も後ろもゆったり楽々。睡眠時間は短くなるし、夜はすぐ眠たくなっちゃうけど、より良い環境でじっくり映画を楽しみたい! そんな人に早朝上映はおススメです。

 そんなわけで今回は朝5時30分起きして観に行った映画『空の青さを知る人よ』の感想を書きます。女子高生が楽器をかき鳴らす青春映画と思いきや……予告からは想像できない内容でした。

 ネタバレはありませんので、観に行こうか決めかねている方は参考にしてくださいませ。【アイキャッチ画像はYouTube-映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】より】

『空の青さを知る人よ』はこんなお話

山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。時を同じくして、あおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

映画『空の青さを知る人よ』公式サイトより

 本作品を手掛けた長井龍雪監督と言えばそう、最終回でティッシュが足りなくなるほど大号泣させてくれた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の生みの親。もちろん『心が叫びたがってるんだ。』も鑑賞しました。

 個人的にはテレビアニメ『とらドラ!』の監督という印象が大きいです。あれはすごくいい作品だった……。

 『あの花』『ここさけ』で脚本を務めた岡田麿里さん、キャラクターデザイン&総作画監督の田中将賀さんと三度目のタッグを組んだ最新アニメーション。これはもうハンカチを数枚持って観に行くしかないでしょう。絶対に泣いちゃうから!

 基本情報はここまでにして、さっそく感想を語っていきましょう!

『空青』は大人向けの作品かもしれない

YouTube-映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】より

 本作の主人公である相生あおい(あいおい あおい)は高校生。今回もティーンエイジャーを中心としたストーリーかと思いきや、姉のあかねや慎之介など30代の大人組にもしっかりとスポットを当てて展開していきます。

 「今回はターゲット層を上げたのかな」と思ってしまうくらい、大人の恋愛を見せてくれました。もちろん未成年を通じて青春を感じさせてくれる部分もちゃんとあります。子供と大人、それぞれの立場の対比が上手く描かれていたのだと思いました。

 30代中盤である自分にとっては「過去を重ねる」というより「現在を重ねる」部分が多く、予告で内容を想像していた分、いい意味で裏切られた内容でした。

 それを狙ってかどうか、作中で使用される曲がなんとも懐かしい! 原曲を知っている人なら「うわぁこの懐メロを現代の女子高生が演奏してる」と不思議な感動を覚えるでしょう。サントラに歌も入っていたら買っちゃいますよ。

 本作はベースを弾くシーンが多く、音も演奏の姿もかっこいい。学生さんはベースを練習したくなると思います。ああ自分も軽音部とかに入ってベースやってればよかったな……。

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夢を追う人に向けたメッセージがグサグサ刺さる

YouTube-映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】より

 私事ですが、たけのこは夢を追って北国から上京しました。

 単身東京で生きていくのはワクワクと同じくらいの不安。地元に対する心残りもゼロじゃありません。それでもやれるだけやって、現実の厳しさを知ります。

 いつの間にか夢はぼんやりとかすみ、気が付けば情熱を失い無難なところに着地して暮らす自分がいる。夢を追うことをやめた自分を直視せず生きているな……と感慨深く書きましたが、登場人物の葛藤には自分に重なる部分を感じました。

 10代でこれから夢に向かう人、30代を過ぎてなお夢を追いかけている人は作品から何かしら汲み取る部分があると思います。それくらい人生において重要なテーマが込められていました。

びっくりするほど上手い俳優陣のお芝居

YouTube-映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】より

 31歳の売れないギタリストと、18歳の高校生の一人二役をこなした吉沢亮さん。あおいの姉を演じた吉岡里帆さん。大物演歌歌手を演じた松平健さん。みなさん非常に声だけのお芝居が上手くて驚きました。

 実は「今回は俳優さんがメインなのか……大人の事情かなあ」なんて不安に思っていたんです。でも第一声を聞いて「あれ、上手いぞ」と。どの立場で物を言ってるんだと言われたら謝罪ですが、やっぱり長井龍雪監督は間違っていなかったんですよ!

 そして主人公を演じた若山詩音さん。失礼ながら存じ上げませんでした……でもお芝居は上手いしすごくハマってる。今までどんな役を演じていらっしゃったのかと調べてみたら、劇団ひまわりで子役からお芝居していた方でした。どうりで上手いと思ったら。

 劇団ひまわりと言えば宮野真守さん、木村良平さん、内山昂輝さん、諸星すみれさん、宮本侑芽さんなどなど……書ききれませんが実力派声優さんが多数所属する事務所。初めて声のお仕事をされる方でもすごく上手いんですよね。

 若山詩音さんも例外ではなく、劇場アニメ初挑戦・初主演とは思えないお芝居を聞かせていただきました。やっぱり劇団ひまわりは間違いないな! どの立場で物を(以下略)

50万人限定の入場者特典を逃すな!

 本作品は全国合計50万人限定の入場者特典として書き下ろしイラスト仕様のA4クリアファイル復刻版「あの花ラジオ」特別版アクセスカードがもらえます。

 ラジオ、気になっていたんですよ。メインパーソナリティーが『あの花』でめんまを演じた茅野愛衣さん、ゲストに『ここさけ』の主要キャラクターを演じた内山昂輝さん、そして『空青』から若山詩音さん、落合福嗣さんと期待度マックスの面々なんですから。

 帰ってさっそく聞いてみましたが、ネタバレありの裏話が盛りだくさんで聞いてよかった聞かなきゃ損の51分でした。笑いもたっぷりなのでぜひ聞いていただきたいです。

 この機会を逃したら次はどこで聞けるか分かりません、特典が残っているうちに映画館へGOですよ!

一押しの人物は相生あかね

YouTube-映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】より

 個人的にお気に入りの人物は相生あかね。あおいからは「あか姉」と呼ばれています。

 穏やかでいいお姉さんとして登場するのですが、慎之介への想いやあおいと二人で生活する上でのエピソードは涙腺にビシバシ来ました。こういう立場の人に共感することが多いです。

 べ、別にメガネ美人だとか、性格や声が落ち着いていて心がほぐれるとか、包容力があるとか、31歳と思えないほどかわいいとか、そういうことじゃないんだからね!

 エンディングで流れる画を見た時は「本当に良かった……」と心の中で拍手したものです。だからスタッフロールも最後まで見てください!

まとめ

 秩父を舞台にした超平和バスターズ三作目は、大人が観ても十分に楽しめる作品でした。むしろ大人が観るべき作品と言ってもいいでしょう。もちろん大人じゃなくても楽しめるから安心してくださいね。切ない恋愛は世代を超えてじんと心を震わせると思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
たけのこ
登録販売者資格を持つドラッグストア店員です。 趣味で小説投稿やゲーム実況なども行っております。よろしければそちらもご覧くださいませ。